犯罪事実を根拠付ける証拠が、捜査機関の違法な手続によって収集された場合に、当該証拠を裁判から排除しなければならないという理論をいい、法律上明文化はされていませんが、判例によって採用されています。この根拠は、違法収集証拠を排除することによって捜査機関の違法な手続を抑止して適正手続の保障を図ることにあります。
判例上は、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来の違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合に排除法則が適用されるとされております(最高裁判決昭和53年9月7日)。
刑事弁護用語集
警察官が、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者や、既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者に対して、呼び止めて質問をすることをいい、警察官職務執行法2条1項に定められています。
被害者からの告訴がなければ起訴できない犯罪を親告罪といいます。例としては、器物損壊罪、強姦罪、強制わいせつ罪などがあります。
憲法や刑事訴訟法上、被疑者、被告人は自己の意思に反して不利益供述をすることを拒む権利を認められており、この権利を黙秘権といっております。取調べの際や公
判の際には、必ず黙秘権の告知がなされます。
裁判員裁判とは、裁判官3名と裁判員6名からなる合議体にて、法定刑に死刑又は無期刑を含む事件と故意の犯罪行為で人を死亡させた事件について事実認定から法令の適用、量刑までを行う制度で、報道などで皆様もよくご存じかと思います。
裁判員裁判での評決は、裁判官1名と裁判員各1名以上を含む過半数でなければ被告人に不利な裁判をすることができないと定められております。例えば、裁判員5人が有罪と認定しても、裁判官全員が無罪と認定すれば、有罪にはできません。最低でも裁判官1名が有罪と認定する必要があります。
刑事訴訟法の改正によって、平成21年5月以降は死刑、無期又は長期3年を超える自由刑に当たる罪を理由として勾留状が発せられている場合には、被疑者の請求により裁判所は国選弁護人をつけなければならないとされております。
この国選弁護人を従来の起訴後の国選弁護人と区別するために、被疑者国選弁護人と言っております。
長期3年未満の犯罪の場合で一定の資力要件を満たす場合には日本司法支援センターの扶助を受けて私選弁護人をつけることもできます。資力基準については、当ホームページのコラムの参照や法テラスにご相談ください。